古賀市脱炭素経営支援プラットフォーム

2026.03.26 脱炭素セミナー開催レポート

脱炭素ブリッジこが「脱炭素セミナー」開催報告

【当日配布したレジュメデータはこちら(PDF)

日  時:令和8年3月12日(木)14:00~15:30
場  所:リーパスプラザこが 交流館2階 多目的ホール
出 席 者:21団体34名(団体内訳 チャレンジャー8、両方2、サポーター8、一般1、自治体2)
実施内容:

◎古賀市長挨拶
◎脱炭素セミナー「ともに挑む丸信の脱炭素戦略」
◎閉会挨拶
◎記念撮影
◎業務用EV見学会

1. 市長挨拶 ―古賀市長 田辺 一城

古賀市長_挨拶

 本日の講師、丸信の田中様と、先ほど、X(旧Twitter)でつながることができました。”つながる”ことは、古賀市の街づくり全体の方針の一つであり、脱炭素経営を広げるため、昨年7月に全国で初めて公民連携の輪を作ることができました。参画いただいている企業の皆様に感謝申し上げます。
 今年の施政方針でまちづくりの全体像を示す中、脱炭素経営支援プラットフォームにも触れています。キーワードは「未来への架け橋」、まさに脱炭素ブリッジのイメージで、未来に向けてより良い社会をつないでいくことが目標です。
 プラットフォームを古賀市からさらに広げていくため、地域エネルギー会社の設立を来年度に目指しています。市内参画企業とともに、市議会での可決を前提に市も出資する予定です。複数の企業から出資に強い関心をいただき、無事設立できる見込みです。
 脱炭素の取り組みは実施だけでなく、発信が重要です。企業のブランド価値向上につながるのですが、市役所も含めPRが苦手で、どのように何を伝えるかが課題です。本日の講演ではプロモーションの手法についても学べると思います。私もSNSやブログで日々発信していますが、試行錯誤の連続です。伝えた相手に次の行動を促す発信方法について、ぜひ一緒に学んでいきましょう。

2. 脱炭素セミナー「ともに挑む丸信の脱炭素戦略」

―株式会社丸信 管理本部・総務課 課長代理 田中 敏彦(たなか としひこ)氏

[会社プロフィール]
 株式会社丸信はBtoBの包装資材卸売とパッケージ製造を主な事業とし、福岡県久留米市に本社を置き、現在59期目を迎えて売上約27億円、従業員数約670名です。包装資材の卸売が売上の半分を占め、食品スーパー向けのトレイやラベル、化粧品のパッケージなどを製造しています。特に福岡県内の酒造会社の約9割に製品を提供しており、内製化による迅速な対応が強みです。
 採用支援や商品開発支援、ウェブ制作、微生物検査など多岐にわたるソリューションを提供しています。広報活動も積極的に行い、取引先のプレスリリース支援やオウンドメディアの運営を通じて情報発信に努めています。
 経営理念は「未来に挑み、お客様の挑戦に伴走する」で、お客様の売上向上に貢献することを最優先としています。社会課題である人材不足にも専門部隊で対応し、リピート受注の好循環を生み出しています。

260312_セミナー報告

[脱炭素の取り組み]
 脱炭素への取り組みは2019年田中氏の入社時には社内でほとんど認識されていませんでしたが、SDGs宣言を機に社内での理解を深め、2021年には社長の方針でカーボンニュートラルを目指すこととなりました。
 主なCO2排出源は印刷機械の電力消費であり、UVランプのLED化や太陽光パネルの導入で電力削減に努めています。再生可能エネルギーの契約も幸運にも実現し、90%の電力を再エネに切り替えました。残りの排出量はJクレジットを購入してオフセットし、2021年8月に本社工場のカーボンニュートラルを達成しました。
 この取り組みを可視化するために「CO2ゼロ印刷マーク」を発行し、製品パッケージに表示することで、取引先企業の環境PRを支援しています。大手流通企業もスコープ3までのCO2削減を宣言しており、取引先企業は早期の対応を求められています。
 現在は環境表示ガイドラインの改定に伴い、独自マークから業界団体の認証マークへ移行中です。エビデンスの提示も強化し、カーボンフットプリントの表示など、スコープ1~3の排出量を把握・公表する仕組みを整備しています。
 社内では脱炭素を大きなスケールの話として捉えず、業務効率化や生産性向上の観点からの取り組みを推進しています。DX化も積極的に進めており、取引先の発注業務をタブレット化することで事務作業の削減を図っています。また、営業活動のDX化により、顧客の関心に応じた情報提供を実現し、効率的な営業を行っています。

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[丸信のSX戦略]
 社内コミュニケーションの活性化や労務管理の強化も進めており、残業削減やウェブ会議の活用による移動時間の削減など、働きやすい環境づくりに努めています。
 委員会制度を導入し、社員が自主的にプロジェクトに参加して経営課題に取り組んでいます。SX推進委員会は1年前に立ち上げ、環境に強いメンバーが中心となって活動しています。将来的には廃棄物ゼロを目指すなど、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めています。
 脱炭素は単なる社会貢献ではなく、事業の成長や利益につながる重要な経営戦略です。広報活動を通じて社内外に情報発信し、メディア露出や取引先からの信頼獲得に結びつけています。特に新卒採用においては、環境に配慮した企業としての評価が高まっています。

3. 質疑応答

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 Jクレジット購入のコストと効果、経営層への説明資料の作成、脱炭素と業務効率化の関係、環境マークの活用状況などについて具体的な質問がありました。
 田中様からは、コストは広告宣伝費と位置づけ、無理のない範囲で持続可能な取り組みを推奨する旨の回答がありました。また、社長のトップダウンでの判断が大きいこと、今後は成果の見える化を進める計画があることが示されました。

 参加者からは「できるところから少しずつ変換していくスモールスタートのアプローチが良い」「できるところから変えていくという姿勢や、事業全体のトランスフォーメーションの話に感銘を受けた」「コスト削減という観点だけでなく、社会貢献の文脈で語られている点が評価できる」といった感想が述べられました。

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4. 閉会挨拶 ―古賀市環境課 課長 石倉 明

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 丸信様の脱炭素達成と環境マークによるブランド価値向上は、地域企業の模範となる素晴らしい事例であり、DXやAIの活用による業務効率化と従業員の働きやすさ向上、積極的な情報発信によるメディア露出と信頼獲得は、参加者にとって大きな示唆となりました。
 脱炭素社会の実現は一社だけでは成し得ず、地域企業が連携して持続可能な社会と企業利益の両立を目指すことが重要であり、今後も古賀市として支援を惜しみません。参加者の皆様の脱炭素経営の新たな一歩となることを期待して閉会挨拶といたします。

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5. 業務用EV見学会

• 福岡倉庫株式会社様のご協力のもと、同社が現在実証実験中のカーボンニュートラルな移動手段について、活用中のEVバンの見学会を実施しました。
• 参加者からは「いきなり大きな投資をするのではなく、既存のリソースをうまく組み合わせて取り組んでいるところがよい」「車内も荷台も広く、十分活用できそうだ」「デザインもよく、脱炭素取組のPR効果が高そう」「静かでスムーズな加速」といった評価の声があがりました。

以上